【虐殺器官】映画を見てるみたいな世界観を生み出すのはカタカナルビ!漢字とカタカナを混ぜる意味【感想】

虐殺器官」という小説を再読した。近未来のアメリカで暗殺者として働く主人公が、世界各国の暴動や虐殺の現場に必ず居る謎の男を追い詰めるストーリー。

 

続編の「ハーモニー」も含めて面白いから読んでほしいし、アニメ化もされてる。ネットフリックスかアマゾンかどっかで見れる。

 

現実の世界情勢の先に架空の未来を想定したフィクション小説だが、驚くほど世界に入り込める。

 

私が初めて本書を読んだとき、「ハリウッド映画みたいだな」という感想を抱いた。映画みたいな臨場感を存分に感じられた。

 

それがどうしてなのか、再読し始めてきて一つの考えに至ったので書いてみる。

 

この小説、「とある魔術の禁書目録」みたいに、漢字にカタカナでルビを振るいわゆる厨二的な表現がよくなされている。

 

 

ハリウッド映画的印象を抱かせるのに、その厨二的な表現が一役買っているのではないかと思った。

 

本小説では、執拗なまでに漢字にカタカナが振られている。例として「傭兵(ハウンド)」「濡れ仕事屋(ウェットワーカー)」などが挙げられる。

 

ハリウッド映画と英語は切っても切り離せない。当たり前だけど、ハリウッド映画は英語で表現されているから。

 

英語をカタカナに起こしたものを私が理解できたからハリウッド映画的だと思ったのだろう。

 

ただ、正直、それがカタカナ単体で表現されていたならば「読みにくい本だな」と思ったに違いない。外国の小説とかまず登場人物の名前覚えられんもん。世界史を勉強した人の多くが「カタカナばっかで覚えられん」って言うのと同じで。

 

そこで、横にある漢字が理解を助けてくれる。視覚的にパッと意味が分かる。それに加えてカタカナのルビがハリウッド映画のあのカッコイイ感じを醸し出す。

 

 

テクニカルタームも、漢字が説明してくれてるが故に冗長な説明を抜きにして浸透させることもできる。

 

それなりに英語の知識と漢字が読めることであのハリウッド映画的な世界にスッと入り込める。

 

初めは、これ漢字文化圏の強みかなと思ったけど、よく考えてみればこれは漢字に対して訓読みを発明した日本の先人が凄く偉大だったのかな、と。

 

日本語で書く小説、特にライトノベルの中で漢字にカタカナを振る手法は読み手を筆者の世界に引き込む為の偉大な発明だ。

 

本編終わり。この話についてはもっと色々読んで研究して行きたく思います。

 

 

余談にはなるが、訓読み発明に関してはこの「訓読みの話」という本に分かりやすく書いてある。

 

 

訓読みのはなし?漢字文化圏の中の日本語? (光文社新書)

 

 

この本は漢字文化圏、中国はもちろんの事朝鮮語からベトナム語まで扱われている。

 

確かに他の国でも漢字の彼らの言葉での読み方が存在する。けど、漢字自体も残っていて、自国語での言い方もある点で日本語は特異だなと思う(日本スゲー的な言説じゃないよ)

 

こういう言語的背景がエンターテイメントの発展も支えているんだと思うと、死ぬまでにもっと色んなコンテンツを消費したいと思う。毎回本屋に行くと思うが、死ぬ間際でもどんどん新しい本が出版されて、読めないことを悔やみながら死ぬんだろうなと思う。

 

あーあ、早く攻殻機動隊みたいに電脳化できないかなぁ…

 

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