巷には間違った英語、が溢れている。高校生でもよく目に触れるのは「日本人ミュージシャンの英語歌詞の間違い」ではないだろうか。
大学受験英語を勉強すると、その間違いがとても目につくようになる。大学受験は文法学習が多くを占めているから。
勉強を勉強と思ってやるのはしんどい。だから、こういう「間違い歌詞」の正誤を指摘することによって文法問題に強くなる子が居ればなと思って書いています。
正誤問題やった後に、この歌の中で正しい部分で、受験に活かせる文法事項を後で紹介していきます。
【高1レベルです】
そういうわけで、ボカロ好き高校生向け英文正誤問題一発目ですが、僕が大好きなボカロ曲で「About me」という曲があります。
【GUMI English】 About me 【オリジナル曲】
蝶々Pさん作詞で、ほぼ全編英語だよ!ニコニコ本家のコメントにあるように、蝶々Pさん頑張って書いたから間違いは許してね!だそうだよ。
喧嘩した次の日にカノジョが死んじゃって、今新しい子と付き合ってるけど雨が降った日には思い出してしまうなぁみたいな歌だよ(これもニコニコ大百科にかいてるけど。)
さて、ここで歌詞を全部張りたいところだけど、◯スラックが飛んできたら怖いから歌詞ページのリンクだけ貼っとくよ
高校1年くらいの知識で全部わかると思うよん。
問いは全て、文の文法的間違いを指摘せよ、です。
1.It’s things about me.
考えてね。解答は以下↓↓↓
【解答】It’s things about me. 赤字部分が間違い。この部分は省略せずに書くと It is things …となる。ここで思い出すべきことは、中学生レベルではあるがこれらの点。
- Itは単数か複数か?
- isは主語が単数の時に使うor複数の時に使うBe動詞?
- Thingsは単数or複数?
以下、解説。主語とか単数とか複数とかがわからない人向けには記事書きます。
間違いではないけど高校生向けに言っておくと、now it is starting to rain. I feel you drop tears…は知覚動詞+目的語+原形不定詞って文法です。
I heard someone start the engine last night (昨夜、誰かがエンジンをかけるのを聞いた) みたいな感じで使うぞい。これの詳しい話も今度書きます。
次の問題!
I couldn’t careless. どこがどう間違っているでしょうか。
答えは↓
答えは、couldn’t carelessの部分。Carelessは形容詞で「不注意な、気にしない」くらいの意味だね。この歌の中では後者の意味だろう。これは形容詞だからCouldn’t be carelessが良かった。
Careなら動詞で「気にする」ってのがあるんだけど。
I don’t care. (僕は気にしないよ どうでもいいよ)
Who cares!?(誰も気にしねぇよ!どうでもいいじゃん!) みたいな時に使えるよ。
I don’t careはちょっと冷たく響く事もあるから気をつけよう。
これについてもっというと、I couldn’t care less. (CarelessじゃなくてCare less) という言い方は出来る。
これは「めっちゃ気になる!」って意味になる。これがなんでこういう意味になるかはまた今度、比較級に関する記事で書きます。
次の問題!
It’s wonderfull for me that world is moving now. どこでしょうか!
答えは↓
答え:world is moving now.のところ。中学生、高校生にはいつも口酸っぱく言ってることなんだけど、名詞を書く時は冠詞(the, a, an)をつけるか複数形にするかしないと減点される率が高まる。辞書を引いても分かるように、worldは無冠詞で使える用法は無い。
この音楽に歌詞を乗せつつ修正するなら、
It’s wonderfull for me the world is moving now.にすればリズム感を保って修正できる。っていうかthat と theって聞いてもあんまり区別つかないよねぇ。リスニングの難しいところ。
本当に関係ないんだけどthatの用法についても記事を書いてみようと思う。
次の問題!これは高1の最後ぐらいにならないとわからない難易度かもしれない。
Maybe I’m afraid I’m not as tender guy as you think.
答えは↓
答えは not as tender guy as のところだ。
as+形容詞 (・・・)+as~ で、~と同じくらい・・・である、というやつ。
He’s tall.これをas~asを使った文にしろって言われたら↓↓
He’s as tall as I: 彼は私と同じくらいの身長だ。
に、なるんだけど。ここまでは中学生で習うとこ。じゃぁこれはどうだ。
He is a tall guy.をas~asで囲む。つまり彼は~と同じくらい背が高い男だ。という意味の英文を作ってみよう。初学者向けに選択肢を設けてみるよ。
リンはレンと同じくらい背が高い女の子です。という意味の正しい英文はどれ?
A: Rin is as tall girl as Ren.
B: Rin is as a tall girl as Ren.
C:Rin is as tall a girl as Ren.
D: Rin is a girl as tall as Ren
答えは、C.
Rin is as tall a girl as Ren.という風になるわけだ。単にas~asで囲むだけじゃなくて形容詞が前に引っ張られてきて冠詞 a と入れ替わるわけだ。形容詞が引っ張られるリズム感はhowとかの時にも出てくるから慣れておこうね。これも詳しくはあとで書きまぁす!
そういうわけで、I’m not as tender a guy as you think.にするか、I’m not as tender as you think.が良かったな。
冠詞問題は他にもあるけどもう適当にみんなでやってくれ。
次の問題!
Please tell me what should I do.
答えは↓
答え: Please tell me what should I do.の部分だ。このwhat should I do.という部分。ここれは高校一年生くらいだと違和感を感じない文章かもしれない。
でも、正しくは what I should do.であります。
Whatがあるから語順変わって should I ってなるんじゃねえか!?ってなるかも知れないけど、この場合のWhatは「~な物、事」って言う意味。
例えば、Please tell me what I should do to improve my english. (英語うまくなるために何をしたらいいか教えて下さい)
I do what I want to do!!! (俺はやりたいことをやるだけだ!)
など。
このWhatは「何を~ですか?」っていう疑問を表しているわけではないから、後ろは順序が逆にならない。
順序が逆になるのは「疑問のとき、強調したい時」と覚えよう。
こういう文章を文法用語では間接疑問文っていうんだけど、疑問文ではないのよ。だから、should I…みたいに倒置する必要がない。疑問文じゃないんだもん。質問してるわけでは無いでしょ?「何をするのか?」は疑問文だけど「何をするのか教えて」だと下線部は疑問文じゃなくて「教えて」の目的語になってる。
例をいくつかあげると、
Please tell me where I shold go.
I don’t know what is your purpose.
Tell me which train I should to take to get the museum.
みたいな文章があるけど、それぞれ、where以下、which以下、what以下が動詞の目的語の部分においてあるでしょ。目的語になれるのは名詞だけなので、こういう時のwhereとかの節は名詞と同じ働きをしてるんだよって感覚は持っておこう。
さて、最後の問題だ。僕をしてこの記事を書くに至らしめたフレーズだ。
この間違いはこの曲を根幹から揺るがす痛恨のミス!
If you are still alive. 曲の趣旨と照らし合わせた上で答えよ。
答えは↓
答えは:”are”
この曲の中で一番残念な間違いだと思う。正直歌詞を直して再アップして欲しいレベrう。誤字った。
これはなぜか。この歌は、死んじゃった彼女への想いを断ち切れないってうたじゃん?
わからない人は和訳読んで↓
If you are still alive だと、彼女が”もし、ありえないことだけど”生きていたなら・・・というニュアンスが表現されない。
カノジョは死んじゃったんだろう!!そこは仮定法にしないと!!
曲の趣旨が全部吹き飛んじゃうんだよそのミスで!!!
仮定法にすると、If you were still alive,…
現実に反する事は時制を一つ戻して仮定の表現だ!!!
覚えとけ!!!!
これは、この曲を完璧にするために、絶対に必要な修正だと思うんだ。
そこをwereにすることで、ああ、カノジョは死んでしまって、もう会えないんだって感じがでるわけですよ!
If you were still alive, I just could say that it’s not your fault, but it’s too late …..という風に、仮定法の主節では助動詞の過去形を使うというのも使える。リズム感を保つためにthatを入れとく。
いつ聞いてもここだけは残念に思う。
どうでしたでしょうか。ボカロ曲で勉強する英語シリーズ、書いてても面白いからどんどんやっていこうと思います。
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